社交ダンス大百科

社交ダンスの種類、歴史、特徴を紹介しています。
MENU

社交ダンス踊りの特性

「スロー・リズム・ダンス(ブルース)」

ダンス・パーティなどでは必ず踊られるムードのある踊りです。その歴史は古く、レストランやナイトクラブなどの小さなフロアで踊られていたダンスで、どのように混んだフロアでも踊れるのが特徴です。ダンス音楽の中でもスローなテンポで合わせやすく、ステップも簡単なので初心者がまず習うのには最適です。他のダンスを踊るのに必要な要素もたくさん含まれていますので、この種目でホールド、フットワークなど基本的なことをある程度マスターしてからワルツ、タンゴなどのスタンダード種目に入っていくのが自然で無理がないと思います。ダンスを習い始めるのには省くことはできない重要な種目といえます。

 

「ジルバ」

 ブルースが「静」なら、ジルバは「動」と言えるもので、ともにダンス・パーティにはかかせない必須科目です。1935年頃のアメリカで「スイング・ジャズ」が大流行し、この音楽に合わせて黒人たちに踊られていたのが全世界に広がったのです。リズムに乗りやすい楽しい踊りで、初心者からベテランまで幅ひろい人気があります。数種類の基本ステップをマスターして、音楽に合わせることが出来るようになれば、新しいフィガーを増やしていくのもむつかしくありません。せまい場所で踊れるのも大きな特徴で、まさにパーティ向きのダンスといえます。ブルースと同じように初心者が音楽にステップを合わせる習慣を身につけるためにも重要な種目といえます。

 

「スクェア・ルンバ」

このダンスの発祥の地はキューバです。両足を鎖でつながれた黒人奴隷たちが静かに足を動かしてリズムをとるのですが、鎖につながれているので左右にせいぜい3歩ぐらいしか動けません。それが「1・2・3・4」の4拍で3歩という今日の基本リズムになったといわれています。このルンバの曲がアメリカやヨーロッパに渡り、その曲に合わせて踊られたのがスクェア・ルンバです。キューバン・ルンバの華やかさにくらべて、フィガーがシンプルで地味なせいか、あとから普及してきたキューバン・ルンバのほうに人気があり、パーティでルンバの曲で踊られているのは、ほとんどキューバン・ルンバです。公民館のサークルでもほとんど扱ってないようです。しかし、フットワークやヒップ・ムーブメントなど、ルンバの基本的な動作を初心者が身につけるにはシンプルなこのスクェア・ルンバのほうがわかり易いと思います。 ボールルーム・ダンスの指導教本にも標準種目として採り入れてあり、またアマチュア技術検定の試験科目にもなっているので、ダンス教室では受験者には必ずキューバン・ルンバよりスクェア・ルンバのほうを先に教えています。

 

「マンボ」

 1950年代、爆発的に流行った曲ですが、現在ではあまり演奏されていません。したがってパーティでもマンボの曲が流れることはほとんどありませんが、チャ・チャ・チャの曲がかかったときに踊られているのを時々見かけます。男性が手でリードするという原則がありません。そのため男性が先に踏んだステップに1小節遅れて女性が同じステップを踏むという約束ごとが最大の特徴です。女性同士でも踊れる手軽さがパーティ向きといえましょう。 リズムのとり方は違いますが、キューバン・ルンバやチャ・チャ・チャの基本ステップと共通する部分が多いので、マンボを先におぼえたほうがキューバン・ルンバ、チャ・チャ・チャが確実に身につくと思います。アマチュア技術検定試験もキューバン・ルンバ、チャ・チャ・チャよりもマンボのほうが早い段階にあります。

 

「ワルツ」

流れるような華麗なムーブメントと回転、そして、3拍子のロマンチックな音楽にあわせたライズ&フォール(上下への波動)とスウェイ(左右への傾斜) 19世紀のヨーロッパの宮廷舞踏ウインナー・ワルツをルーツにしたこの優雅な踊りは、今では社交ダンスの中では最もポピュラーでキューバン・ルンバと1・2を競う人気のある種目です。ブルースをある程度踊れるようになってから習うのが、無理がなく自然だと思います。競技ダンス、技術検定、ダンス教室、そしてサークルでも踊る機会がいちばん多いダンスではないでしょうか。スタンダード・セクションの基本となる種目でもあります。

 

 

「タンゴ」

 上下動のない滑らかなムーブメントから次に続くアタック・ムーブメント、情熱的な音楽に合わせたシャープでスタカートな踊りはワルツと全く対象的ですが、その違いがまた別な魅力なのでしょう。もともとアルゼンチンの酒場で生まれた踊りが音楽と一緒にフランスに渡り、洗練された現在のヨーロッパ風ダンスに生まれ変わったのです。音楽も「アルゼンチン・タンゴ」とは別にヨーロッパ風タンゴ「コンチネンタル・タンゴ」として、今日広く親しまれています。 また本国にそのまま残っている「アルゼンチン・タンゴ」は時々日本公演などで見る機会もあり、日本国内でも若干の愛好者はいるようです。しかしボールルーム・ダンスの世界では標準種目のなかにありません。 タンゴはダンスとは切り離して、聴いて楽しむ音楽としても人気があり、踊れないけれどタンゴの曲は大好きという方も少なくありません。スタンダード種目ではワルツに続き踊る機会の多い種目です。

 

「ルンバ」

キューバ生まれの音楽ルンバがアメリカやヨーロッパに渡り、その曲で踊られていたのがスクェア・ルンバですが、もともとキューバ・で踊られていた黒人特有の野性味あふれる踊りがキューバン・ルンバです。英国のダンス教師がハバナのトップ・ダンサーから習って英国に持ち帰り紹介したのがその始まりです。しかし、キューバン・モーションと呼ばれるセクシーなヒップ・ムーブメントが、そのころの誇り高きヨーロッパの紳士、淑女に受け入れにくく、またスクェア・ルンバとは異なるリズムのとり方に馴染めず、最初はかなりの拒絶感があって、すぐには普及しませんでした。それが英国のダンス教師たちによって競技ダンス風に研究され、標準化されてからはこのダンスがヨーロッパの人々をすっかり魅了したようです。ソフトで哀愁に満ちた音楽に、やわらかいヒップ・ムーブメント、そしてクラシック・バレエを思わせるような、しなやかな手の動きとポーズなど女性らしさを表現するムーブメントはスクェア・ルンバにはない華やかなもので、アッという間に世界中に広がりました。 いまでは、社交ダンスの華といってもよいほど女性に人気があり、ダンス・パーティやサークルでは省くことなど、とんでもないことで、キューバン・ルンバだけを習いたいとダンス教室を訪ねる女性も少なくありません。呼称もスクェア・ルンバと区別するため長い間「キューバン・ルンバ」と呼ばれていましたが、現在では「ルンバ」という呼び方が一般的になっています。

 

「チャ・チャ・チャ」

 ルンバ、マンボに続いてキューバから生まれた音楽で、ルンバやマンボが4 拍子で3歩のステップに対し、4拍子で5歩の軽快な踊りで、キューバン・ルンバのステップやポーズが原形になっています。キューバン・ルンバが「2・3・4 〜1」のリズムを「Q・Q・S」と3歩でステップするのに対して、チャ・チャ・チャでは「2・3・4・&・1」のリズムを「Q・Q・Cha・cha・cha」と5歩でステップするのが大きな違いで、その他の基本的なことはキューバン・ルンバと同じです。リズミカルな音楽に合わせて、歯切れよく軽快に踊るこのダンスはルンバとはちがった楽しさがあります。ルンバよりも歩数が多い分テンポも速く、運動量も多いので若い人向きといえるでしょう。

 

「スロー・フォックストロット」

 「キツネの小走り」という意味のこの踊りは緩やかなライズ&フォールやスウェイを多用し、静止することのない大きな河の流れを思わせる雄大でスムースな動きが特徴です。1890年代にアメリカの黒人により生みだされた音楽「ジャズ」のリズムに合うステップが求められて自然発生し、黒人から白人へ徐々広がった踊りですが、1910年代に英国に渡ってから大流行し、あらゆるところで踊られるようになりました。さらに英国で基本ステップなどが規定され、完成されたものです。格調高くイングリッシュ・スタイルの代表的な踊りといわれています。競技会や技術検定でわ必ず踊られる種目ですが、上級になって取り組む種目であり、動きも大きいので多人数のパーティなどには向いていません。

 

「クイック・ステップ」

 スロー・フォックストロットのあとからクイック・フォックストロットとして生まれたのです。その名のとおりテンポの速い踊りですが、フイガーやテクニックはワルツとスロー・フォックストロットから採りいれているものが多く見られます。アメリカで生まれた音楽「スイング・ジャズ」で踊るようになってから早いテンポになったのですが、英国に渡ってからさらに改良され、ステップなどが規定されて現在のように完成されたものです。 楽しく軽快に踊るこのダンスは運動量が多いだけに、限りなくスポーツに近いダンスと言えます。これも競技会や技術検定では必ず踊られる種目ですが、上級になって取り組む種目であり、動きも大きいので多人数のパーティなどには向いていません。

 

「ウインナー・ワルツ」

 ダンスの中ではもっとも古く、19世紀初期頃からオーストリアのウイーンで踊り始められたといわれています。宮廷などで貴族や上流社会の舞踏会で踊られてヨーロッパ中に広がり、19世紀半ばには市民生活の中に根付いて全盛時代を迎えました。やがてこのワルツがゆっくり演奏されるようになってから英国で考案されたのがスロー・ワルツで、これが現在のワルツ(イングリッシュ・ワルツ)になったのです。そしてウインナー・ワルツもそのまま原形で残り、その後、バリエーションをつくらないよう国際的に協定されて、昔から踊り継がれている数種類のステップだけを使用するようになって現在に至っています。

 

「サンバ」

 サンバと言えば、すぐに思い浮かぶのがリオのカーニバル。あの音楽の強烈なリズムと現地の人々の熱狂的な踊りは、徳島で真夏の夜に繰り広げられる阿波踊りに似た雰囲気があり、見るだけでも楽しいものがあります。そのルーツはアフリカからやってきた黒人労働者が打楽器を打ち鳴らしながら輪になって踊ったのが始まりとされています。これが、やがて今日のカーニバルで踊られているようなエネルギッシュで華やかなサンバに発展したのです。この本場のサンバがヨーロッパに渡って競技風にスマートにアレンジされたのが現在のボールルーム・ダンスのサンバです。 競技ダンスの種目ですが、楽しいリズムなのでパーティでもたまに音楽がかかることがあります。しかし、フィガーの種類も多く、リズムの合わせ方も色々あり、どちらかと言えば、上級になってから入る種目なので、踊る人は限られてしまいます。

 

「パソ・ドブレ」

メキシコをふくめた中南米諸国を現在「ラテン・アメリカ」呼んでいますが、そのルーツは南フランス、スペイン、ポルトガルなどの南欧諸国で、もともとこの地方を「ラテン」と呼んでいました。そのラテン諸国に統治された国々をラテン・アメリカと呼んでいるのはご存知と思います。そして、源流ラテンの国スペインに昔からある独自の文化に「闘牛」と「フラメンコ」があります。その闘牛士の勇壮な姿をモチーフにしたのがパソ・ドブレという踊りです。男子が闘牛士、女子は闘牛士の持つケープ、または牛を表現しています。そして闘牛士の入場行進曲として会場の興奮を高めるために使われた音楽がパソ・ドブレです。また踊りのポーズの中には、フラメンコのテクニックもとりいれているところが見られます。 このダンスのいちじるしい特徴は、ほかのラテン・ダンスは女子が主役で女子が目立つように踊られるのに対し、パソ・ドブレはあくまでも男性が主役になります。そして、ほかのダンスは楽しそうな笑顔が相手にも周囲にも好感をもたれるのですが、この踊りは男子、女子ともに闘争的な表情をしないと、雰囲気が合わないようです。 競技ダンスの標準種目のうちであり、技術検定の種目にもなっていますが、踊れる人が限られているので、パーティなどには向いていません。

 

「ジャイブ」

この踊りのルーツはジルバです。発祥地アメリカから英国に渡ったジルバが、そこで歩数やリズムを改良され、ジャイブと名づけられました。ジルバの「S」の1歩をジャイブでは「Q・a・Q」と3歩で踊るので、「1〜2・3〜4・5・6」のリズムをジルバでは「S・S・Q・Q」と4歩で踊るのに対し、ジャイブでは「Q・a・Q・Q・a・Q・ Q・Q」と8歩で踊ることになります。その他踊り方は基本的にはジルバと同じです。 音楽はジルバと同じロック系またはスイング系の音楽で第2拍と第4拍に強いアクセントのあるビートのきいた音楽が合います。パーティではテンポの速い曲でジルバを踊り、ジルバを踊るには間がありすぎると思うほどテンポの遅い曲では軽快なジャイブのほうが楽しいでしょう。ジルバと比べて動きもエネルギッシュなので、かなりの運動量があり若い人向きといえるでしょう。

このページの先頭へ